カテゴリ:トスカーナで一番幸せな男( 4 )


サルシッチャ

昨日・今日と雨降りで花植えが うまく進みません。
昨日は雨が しばし止んだ午後5時に再びパンジーを植えました。
そこへ走るステファノを発見。「これからピオンビーノへ行かなきゃ。その後、義理の姉さんの所へも行かなきゃならなくて。モルガナ(ラブラドール)の散歩してくれる?」

ふたつ返事で犬の散歩を了解し、愛犬ゴールデンのレオとモルガナの散歩に出かけました。
この二頭、一緒になると何をしでかすか分からないヤンチャたち!
池の中にザブザブ入り、池の周りを猛ダッシュ。鉄砲玉というより、弾丸のように走りました。
なんとか無事に散歩終了。その後、事務所へ降りるとピオンビーノから戻ったステファノが。
「これからサルシッチャを作りに姉さんの所へ行ってくる。」
「サルシッチャ?私もいつか習いたいなぁ。」
「今から来れば?」
「よし、行こう!」

メモ用紙とペンとカメラを片手に、お呼ばれもしないのに車を出しました。
「ああ、いらっしゃ~い!」義理のお姉さんの家に着くと家族・親戚一同が 続々と集まってきます。
皆、エプロンをして腕まくり。いのししと豚肉をザクザク切り始めました。
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手前がいのしし肉で奥の肉が豚バラ肉、合わせて9.5kg。
c0226907_071726.jpgあら挽きにして、塩(肉1kgに対し30gの塩)・コショウ・つぶコショウ・白ワイン(目分量)をふりかけ、よくこねます。
「こんな感じかしら…」「塩が少ないんじゃない?」生肉をひょいとつまんで答えます。「もう、少し塩を加えましょう。」「あぁ、多すぎるわよ!」なんて言葉が飛び交います。
薪ストーブの上にフライパンを置いて肉を炒め始めました。いい香りが部屋中に…
「さぁ、味見してみて!」「…」「なにか、足りないわね。」「塩?」「塩は足りてるわ。」「コショウ?」「入れてみましょうよ。」「ああ、入れすぎよ!」コミカルな喜劇を見ているように面白い。
そこへ奥さんの用事で再び走り回っていたステファノがコニャックを持って帰ってきました。
「これよ。これ!」肉の上にコニャックをふりかけ、もみ込みました。








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塩漬けの豚の腸をきれいに洗い、機械を通して肉を詰め込みます。それから、10cmほどの適当な大きさのところで紐で縛り、針で穴を開けて出来上がり。おいしそうなサルシッチャができました。
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by bulichellanippon | 2011-02-17 23:46 | トスカーナで一番幸せな男

ステファノ 2

夏には愛車の赤いフィアット・パンダ(現在はオレンジ)から転身衣替え、黄色いスクーターにまたがり風を切って農園に出勤。ここ何年かはラヴラドール・レトリーバーのモルガナを足元に乗せて、ご満悦。犬が小さい頃はよかったのだが、今では頭とお尻がスクーターからはみ出してしまっているのに、それでも猛スピードで 県道を走る。

最初の頃は大変だったのよ。と語るのは彼の奥さん。夜中の2時に眠れずにいて、何度も起きるの。どうしたの?と尋ねると、ワインが心配で眠れない。それなら、ワインの様子を見てきなさいって。彼は夜中の2時にワインを見に農園のカンテーィナへ行ったのよ。温度管理がコンピューター制御で管理されているにも関わらず、心配で心配で仕方がなかった。

早起きのステファノ。職場のリヴォルノ駅まで1時間かかることを思えば、全然、早起きすることは辛くない。とブドウの収穫時には朝4時に起きすぐに外に出て空を見上げる。
朝早くから夜遅くまで走り続ける。昼は自宅に戻り10分ほどで昼食をすませ、また農園に向かって走り出す。
夏のシエスタ(昼寝)が始まると、農園のスタッフも昼から3時頃まで休憩タイム。そんな折、彼は海へ直行。仕事も遊びもフル活動。夏は海へ。冬は山へ。狩りの時期はハンター姿に身を包み土曜の朝7時から夜7時まで、いそいそと出かけて行く。もっぱら狩りが好きではなく、仲間と一緒にいることが好きで、世間話をしながら大きな声を上げて猪を追い立てる役に扮するのだ。
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by bulichellanippon | 2011-01-13 06:25 | トスカーナで一番幸せな男

ステファノ

リヴォルノ。リヴォルノ。トスカーナ州のリヴォルノ県のリヴォルノ駅でホームに向かってアナウンスする彼こそが、これからお話ししたいトスカーナ一(いち)の幸せ男ステファノ。
今でこそ農園のチーフとして信頼をおかれ、11年前から農園のブドウ・オリーヴ畑、カンティーナを任されているが、彼が農園オーナーの宮川と初めて出会ったのは、さかのぼること1999年のある夏の日。
スヴェレートの街とお隣のヴェントリーナの街をつなぐ県道、松並木通りであった。最初の出会いは……と笑うステファノ。

鉄道員の仕事をしていた彼は、その日、1時ごろ出勤のためにヴェスパで風をきり最寄りの駅に向かっていた。ふと松並木通りで左側走行で走ってくる車を見た。
レキサスS400。宮川は一週間前に購入したその車をご機嫌でかっ飛ばし、前方の車を追い越すために対向車線を乗り越え、ステファノ側の通りを余裕で走行していた。
1971年14歳の時に起こしたヴェスパ走行中の交通事故が脳裏によぎる。全治9ヶ月を要した事故で、頭の上に開いた穴(窪み)が事故の悲惨さを物語る。私の手を握り彼の頭の上を探らせた。事故時に車の前方ガラスに飛び込んだときにできた傷。だから、僕は正確な人間ではないんだ。と堂々と言う。思わず笑いがこみ上げた。

ステファノの目の前、ぎりぎりで宮川はハンドルを切った。
すれ違いにステファノは運転する宮川(当時はまだ知り合いでなかった。)、その隣に座る妻のマリーザ、後部席に座るステファノのいとこを横目で見た。
そして、のち、いとこに こう尋ねた。
僕を殺したかったあいつは何ものだ!

そんなふたりが見えない縁に、あるいは運命によって引き合わされた。
僕はね、一度も農園へ来たくないと思った日がないんだ。とにっこりするステファノ。最初は心配だった。僕の父親はブドウ、ワイン作りの経験者だったけど、僕はそうではない。こんな広い農園のワイン作りをひとりで背負って立つなんて、不安でいっぱいだった。でも、宮川は一緒にやってみないかって言った。僕はね、こう答えたんだ。
半年のチャンスをくださいって。もし半年後、自分にその実力がなければ駅のホームに戻ります。

彼はホームには戻らなかった。
農園がグランドホームになったのだ。
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by bulichellanippon | 2011-01-12 00:30 | トスカーナで一番幸せな男

死んだネコ

ブリケッラ農園のチーフ、ステファノは12年前 鉄道公務員でした。
リヴォルノ駅のホームで、「リヴォルノ~リヴォルノ~」とアナウンスしていた彼。
そこでのエピソードを一説。

ある日、ピサ行きの貨物列車にエルバ島からの荷を積んでいたステファノ。
ふと手にした荷物の名札を見ると、ネコと書いてありました。
ネコキャリーバッグの中にどうやらネコがいるらしい。
隙間から中をのぞいて見ると、なんとネコは死んでいました。
これは困った!あわてたステファノは考えました。
そうだ!名札にはネコとしか書いてない。黒ネコとも白ネコともブチとも書いてないのだ。
ネコなら何でもよかろう!キャリーバッグから死んだネコを取り出し、駅にいたノラ猫を捕まえて代わりに入れてピサ行きの貨物列車に乗せました。
このネコが、たどり着いたのはピサ大学の研究所。
死んだネコが届くはずが、中から出てきたのは生きたネコ。
あのネコは、ある研究のために送られたものだったのです。
なんとも、オッチョコチョイのステファノ。

取り越し苦労してしまったステファノのある日の鉄道員の思い出でした。
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by bulichellanippon | 2011-01-10 23:14 | トスカーナで一番幸せな男
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ブリケッラ農園に腰を下ろして 早6年。有機栽培のぶどう オリーヴ 野菜 果物に囲まれた生活の中で 心がビオになっていく そんな農園で起こるできごとを お伝えしたく 四苦八苦で取り組んでおります。


by bulichellanippon
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