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枯れ葉


2006年1月25日

強い風が吹いて、木の葉が私の体をかすめて下へ落ちた。
すずめの死骸だ。
その姿はカラカラで、形さえとどめているものの、ぺっちゃんこで、まるで枯れた葉っぱのようであった。
こんな強風が吹かねば、屋根の下の、多分そこを巣としている樋(とい)の中で強い陽射しに、時には冷たい雨にさらされて、ずっと誰にも気づかれずにいたのであろう。
あるいは、そうしている間に形をなくし風化して空に舞っていったかもしれない。
生まれるということは死ぬということである。
どんな生き方をしようと必ずそこに死はやってくる。
すずめは誰にも気づかれなかった。
いや、私が気づいた。
その時、そのすずめの生は終わっていたが、生まれて、その時まで生きていたことを私によって実証された。
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by bulichellanippon | 2010-01-26 02:30 | 動物

アフリカ ひつじ

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ジュデッタと誕生したメスの子羊(2010年1月21日誕生)c0226907_2343433.jpg
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by bulichellanippon | 2010-01-26 02:26 | 動物

STRACCIATURA

c0226907_5175024.jpg西日が曇り空からこぼれだし、ブドウ畑の一部を銀色に染める一瞬に遭遇し、思わず心を奪われた。夏の畑とは違い、緑のない冬の寒空に広がるブドウ畑。ブドウの木は沈黙を守るかのように静粛にそびえ立っている。ブドウの木、一本一本に添えたてられた丸い棒が、沈む太陽の光に反射して銀色に輝いた。

今年1月11日からSTRACCIATURA(ぶどうの枝の引き抜き作業)を開始。この作業なくして今年のブドウの収穫はありえない。ブドウの木(軸)に伸びた8本の枝を切り、引き抜く作業で、単調ではあるが、この業(わざ)次第で、その年のブドウの良し悪しが決まる。基本は、くの字に曲がったブドウの木の枝を8本切ること。切るときの注意は8本の枝のうち、4本は根元から切り落とし、残りの4本の根元に生えた2つの芽を残しながら枝を切ることである。それに加え、去年、病気にかかったブドウの木の剪定方法がある。これはおもいきった方法で、古いブドウの木を一部切り落とし、4本の枝の一本を選び残し、その枝を軸として育てていく。病気に負けない若い丈夫な枝からブドウを収穫しようという試みだ。ただし時々ひねくれた枝もあり、折り曲げたい方向とは逆に枝をはわせるものもある。そういう時はムリをせず、基本の剪定をするのが懸命。ムリして逆方向に向けようとしても折れる危険が伴うからだ。人と同じで全てのものが右向け右とはいかないのである。その木にあわせて育てていく。これが大事。
電導はさみは、普通のはさみの2倍の速さで作業が進む。力を必要としない、女性に優しいはさみだ。以前は冬の寒空の下、凍える手で一本一本切らねばならなかった。一日の作業が終わると、手が、はさみの持ちすぎで痛んだという。
1月15日金曜日は、春のような日差しのあたたかい空の下、このSTRACCIATURAが行われた。
汗ばみ、皆、着ていたジャケットを脱ぎ始めた。こんな日は作業がしやすい。まるで太陽と北風のお話しを思い出す。c0226907_52915100.jpg
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by bulichellanippon | 2010-01-16 05:29 | 有機栽培

アフリカ ひつじ

c0226907_0202460.jpg2008年12月29日ピックアップ・トラックの荷台に揺られ、可愛い二匹のアフリカ羊のジュデッタとメイはやって来た。箱入り娘さながら、わらが敷かれた小さな宝石箱の中に寄り添って座っていた。ふたを開けるとメロディーが聴こえてきそうなほど、まるでオルゴールの中の小さなお人形のように丸い目をしっかり見開き、瞬きもしないまま二匹の羊はしっかり体をあわせて、時々、小さくメーと鳴いた。チョコレート色の短い毛をまとい、まるでヤギと間違えてしまいそうである。
なかなか箱の中から出ようとしない羊を後からやって来たステファノが出した。なんと2匹ともまるまる太ったおデブちゃん。おや、待てよ。なんとも箱入り娘の妊婦さんでは???春には5匹になっているかもしれない。
明日はいよいよ雄ヒツジがお隣のスイス人のお家からやってくる。スイスからやって来るアフリカ羊?である。
次の日近所に住むスイス人の飼い主オスカーに抱かれ雄羊ホッパーはやって来た。これまた可愛い2つの立派な角を持った羊である。この子もまたチョコレート色である。日が当たってシルエットになる、お尻、足の部分が黒い。
ホッパーは1日隔離された。そうすることでメスと仲良くなるという。
次の日ピックアップ・トラックの荷台に3匹を乗せ、トスカの待つ山の別荘へ。
トスカは小さなお客さまに初めて会った。
小さくて可愛いこの3匹のお客さまにまず、足蹴りで挨拶した。
噛まれると思ったらしい。小さなお客さまは、逃げると思いつつ、3匹でトスカに突進していった。小さくとも束になれば、大きなトスカもただただ逃げるばかり。
トスカの寂しさを紛らせるために連れてきた3匹のアフリカ羊。そのうち仲良くなるだろう。そう祈るばかりである。
スイス人のオスカーは夕方4時頃やって来ては、しばらく羊たちの様子を見て帰る日課を繰り返した。それは、彼が母国に帰る前日まで続いた。
1月14日、久しぶりにトスカと3匹の羊たちに会いに行く。トスカは興奮状態。羊たちを追い掛け回し、まるで受け入れない様子が伺えた。
次の日の訪問では、トスカに近づく3匹の羊たちを発見!羊たちは仲良くなりたいようだ。トスカはヒツジ語を勉強しなければ!と言った語学堪能のバルバラの言葉がよぎる。動物語は共通と思っていた私の頭をゴツンとやられた気がした。鳥だってそれぞれ言葉があって共通語はないのかもしれない。トスカよ、ひつじ語を理解する日が君にきますように。

2月21日。跳びまわる羊たち。まるで血がたぎったようにジャンプジャンプジャンプ。
さすがアフリカの血が流れている。体の中で血が踊っているかのよう。

3月23日の身体検査。どうやら、1頭妊娠したらしい。大きいほうのジュデッタだ。下からお乳をおぞくと、もう大きくはっているのが判る。お母さんの支度がだんだん整っているようだ。
新しい命が宿っている。元気に生まれてきてね。
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by bulichellanippon | 2010-01-12 00:15 | 動物

アフリカ ひつじ

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2009年4月15日。奇跡が起きた。ジュデッタの子どもが自力で立ち上がった。彼の誕生が発見されたのは、生まれてすでに12時間以上が経過したあとであった。ステファノが発見した時には、すでに息絶える寸前であった。額に足跡がひとつ。どうやら、生まれてすぐに蹴られてしまったようだ。ステファノとアリで救助にあたる。母親ジュデッタを連れてきて乳を与えようと試みた。ところが母は拒否。子もまた力尽き、乳房に反応しない。
ステファノは獣医を呼んだ。私にも2度ほど連絡をしたようだが、携帯をいつものように置きっぱなしにしていたため、詳細を知ったのは、更に数時間たったあとだった。
急いで車を出す。気ばかりが焦って、トスカと羊たちの小屋まで、かなり遠く感じた。
わらの上に横になったまま動かない小さな羊の子を見た。目は見開いたまま乾いた状態で、手足が投げ出され、腹部だけが定期的に上下に動いていた。
額を見る。確かに足跡がひとつ、くっきりと残っていた。
でも、トスカのものではない。ステファノはトスカにやられたと言っていたが、この足跡はひつじのものだと確信した。それに馬のように大きなトスカに蹴られたとしたら、今頃、生きていないだろう。
ヤキモチでひつじを追い掛け回していたトスカ。とうとう、子どもまで蹴ってしまったかと恨んだが、そうではなかったと判り、ほっとした。
もう、ダメかもしれない。いや、絶対に助けたい。そんな気持ちが交錯して、アリがトラクターで駆けつけた時、ジュデッタを出産前に別の場所へ移動すべきだったのではと訴えてしまった。
でも、いつ生まれるか判らないよ。確かに誰もひつじの子がどのくらいお腹の中にいるのか知らなかった。
そんな問答をしている間に獣医がやって来た。ロバの“花”を見てくれた獣医である。
彼は小さなひつじの子を見て、親を連れてくるように言った。とにかく、子にミルクを与えなければならない。
母をつかまえ乳房に子の口を運ぶが、母は嫌がり、子も乳に触れようとしない。獣医は子の口に親指を入れた。子は力なしに乳を吸うマネをした。それから獣医は哺乳瓶を持ってきて、アリに乳を搾れと言った。
500頭から600頭のひつじをトルコで飼育していた彼。器用にそつなく乳を搾った。
うまく吸うことはできないが、少しずつ、母親の乳は子の喉もとを過ぎ体の中に入っていった。
子どもは誕生したあと、すぐに乳を飲み立ち上がる。ところが、ジュデッタは仲間と一緒にいることに慣れ、初めての出産の意味も判らず母になったことが本能的に理解できなかったようだ。そして、子は3頭のうちの1頭に蹴られ、そのまま放置されてしまっていた。あるいはオスに、あるいは母に。
それから栄養剤を打ち、とにかく今晩がヤマであると獣医は言った。

母親は母屋の柵の中へ移され、いつでも乳が搾れるようにした。
子はタオルを敷いた容器に入れられ、私が預かることにした。みんなの気持ちはひとつ、この子を助けること。
ジュデッタとホッパーはいつ農園に来たのかと聞かれ、答えると、ジュデッタは農園に来る前に妊娠していたと獣医は確信をもって言った。
ひつじの子がお腹にいる期間は6ヶ月。2008年12月31日に出会った彼ら。
計算上つじつまがあわない。やはり、初めてジュデッタを見た時の予感は当たった。彼女は箱入り娘の妊婦さんだったのだ。ジュデッタがわが子を舐め始めた。

名前をつけよう。友人キャーラに提案した。
力強い名前にしなければ。彼女は言った。私の頭の中にすぐさまGOという名前が横切った。
英語のGO。前進。日本語で剛。強い証。彼の名前はゴウに決まった。
夜の10時、1時、朝の6時に乳をやる。アリとマサ、私の3人は、とにかく助けたい一心で力を合わせた。
乳の吸いは、か弱いが、私達が与える全ての乳を飲み干した。
ところが夜中の1時になり、アリとマサは手ぶらで私たちの元へ訪れた。
乳が出ない。もうない。
普通の牛乳でもいいかな。キャーラにメールで連絡を入れる。
母親の乳が一番。乳房を刺激して乳を搾れとの答え。子どもを連れていこう。の私の案に、一同母親の元へ向かう。母に子を引き合わせると母はメーと鳴いた。ゴウも鳴く。
始めは出なかった乳がシュッと私たちの目の前でしぶきをあげた。
ジュデッタは母であることを悟った。母になる準備が整ったようだ。

4月15日。立ち上がろうとするゴウ。お尻を持ち上げ、前進に力をいれ、ふらふら立ち上がる。
やった。立ち上がった。
しばらくして、コロンと横になるが、また立ち上がる。
もう安心だ。獣医は言った。
4月16日。ひとりで立ち上がるゴウ。少し歩く。これで大丈夫。乳もひとりで飲める。
瞬きもせず、乾ききった目に潤いが戻っている。
彼の羊生は、あの時、終わりではなかったのだ。

メイの検診結果が出た。
妊娠2ヶ月。なんと双子が宿っている。
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by bulichellanippon | 2010-01-11 01:33 | 動物

アフリカ ひつじ

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2009年6月29日。出産直後のメイと子ども。双子ではなかったが、かわいいオスが生まれた。数ヵ月後、このオスの子は他の地へ。代わりにかわいい小さなメスがやってきた。
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by bulichellanippon | 2010-01-11 01:17 | 動物

アフリカ ひつじ

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手前からメイ・ジュデッタ・ゴウ・ホッパー・新しい仲間 名なしのごんべい
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by bulichellanippon | 2010-01-11 01:11 | 動物
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ブリケッラ農園に腰を下ろして 早6年。有機栽培のぶどう オリーヴ 野菜 果物に囲まれた生活の中で 心がビオになっていく そんな農園で起こるできごとを お伝えしたく 四苦八苦で取り組んでおります。


by bulichellanippon
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